2019年の浦和のACLは、準優勝。悔しい瞬間を、現地で目の当たりにしてきた。
大した内容はないが、今の気持ちを残しておきたいので。
待っていたのは、力負けという現実
試合前は、本気でひっくり返せると思ってた。1st Legを中継するテレビ画面からビンビンと、アルヒラルの強さを感じていても。
「中東のチームは超内弁慶」「埼スタの圧力がある」「ズラの言葉を思い出せ」と、2nd Legまでの2週間、自分の中でおまじないのように唱え。
試合中も、前半から1st Legと同じようにボールを持たれ、叩きつけられるように倒される浦和の選手達を見ても、「守備陣はだんだんと慣れてきた」「相手は疲れてくるはずだ」「浦和のエースが千載一遇のチャンス必ず仕留める」と。
そして試合が終わった今感じるのは、「まぁ…そうだよね」という、ちょっと醒めてしまったような感覚。
ホームアウェイ関係なく、アルヒラルの選手達はフィジカルもテクニックも、戦術的にも浦和を上回っていたと思う。埋められない実力差があったという現実が、そのまま反映された結果。
当然負けると思っていた訳ではないし、本当に悔しい。
けれどなんというか、ガンバにまくられた14年、CSで鹿島にやられた16年に感じたような、どうしても受け入れられないというものではなく。個人的には。相手が強かったし、今の浦和ではこうなるよね、と。
ただ、想い描いていたのと違う低調なシーズンながら、それでもACL決勝という大舞台を観せてくれたチームには、本当に感謝したい。
アルヒラルは、2年前より明らかにチーム力を上げていた。前回も強いと思ったが、歯が立たないと思うほどではなかった。
本当のところはわかりようもないが、浦和に負けたという事も強化の原動力だったのか。だとすれば今度は浦和が、このアルヒラルを倒すんだという思いで、チーム強化をしてほしい。
興梠慎三という男
そんな試合の中で、興梠慎三の熱さみたいなのを改めて感じた。
加入当時は、なんか飄々としてて掴みどころがないなぁという印象。(それは今も変わらない)
でも今は、心の内に熱い想いを秘めていることと、それを表に出すのは気恥ずかしいんだろうなぁという事がわかる。
彼のACLへの想いは色んなコメントの端々に。
「ACLがないとシーズンを戦っている気がしない」とも。昨日の試合も、さぞ気合いが入りまくっていたことだろう。
そんな彼が、何とか状況を好転させるために、試合途中からファブリシオにトップを譲り、左サイドで懸命にカバーリングをし、ボールを引き出すためにギャップに落ちて
チームのためとはいえ、決勝の舞台で本来の仕事場に立てず、どんなに不本意だっただろうかと想像する。
試合終了後、悔しさでいっぱいなはずの彼は、倒れ込んでしまった橋岡を引っ張り上げ、自責の念に押し潰されそうになっているであろう関根の肩を叩き、相手選手の健闘を讃え、サポーターに頭を下げていた。
そんな彼を遠くから見て、勝手だけれど自分は「この選手を浦和の選手として最後まで応援したい」と、改めて思った。
だから、彼のような選手が愛想を尽かして出て行ってしまうような、そんなクラブにはなって欲しくない。
自分の応援するクラブは、彼のような選手に「居続けたい」と思ってもらえる、そんなクラブであってほしい。
来季の編成に関する色んな話題が出てきた今、漠然とそんなことを思った。