赤い自由帳

浦和レッズを中心にJリーグを観ています。戦術は語れません。

【浦和レッズ】リカルド・ロドリゲス監督解任

哀しいニュースが飛び込んできた。

新聞報道が先行していたが、ついに公式発表があった。監督職の解除という聞き慣れない表現が気にはなるが、一部報道では一度は契約延長に双方合意していたということなので、クラブ側からの実質的な解任なのだろう。

まだ頭の整理がついてないが、今の思いを記しておく。

リカルド監督は、好き嫌いで言えばとても好きな監督だった。理由としては、まずは人間性。 少なくとも我々から見える彼は、どんなに劣勢でも最後まで選手を鼓舞し、試合後は両軍の選手を労い、不甲斐ない試合では選手と共にスタジアムを周り頭を下げ、嬉しい勝利には誰よりも喜びを爆発させるような熱い人物。 こういうパーソナリティはとても好感が持てるものだったし、個人的には浦和の指揮官にはこういう熱い兄貴分的な監督が合うのではないかと思っていたので、とても坐りが良かった。

それからサッカーの面でも、高い戦術眼をもとに的確な修正を施して戦況を一変させる手腕や、勝つためにはスタイルにはこだわらず理詰めで戦術を立てられる姿勢については、とても優秀だと思っていた。一言でいえば引き出しが多いと言うか。ようやくしっかりした監督が来てくれたと思ったものだ。

だから、来季を共に戦えないのはとても寂しい。

しかし一方で、今回の判断に至ったことも仕方ないと思っている部分もある。 もはや今季の目標であったリーグ優勝がどうこうは別にしても、ACL準決勝以降の戦いは「来季もリカルド監督と頑張れば大丈夫」と思わせるに十分だったとは思えない。勝った負けたの結果もそうだが、それよりも戦っている選手達から覇気を感じない。いやぁ戦っているのは選手だろうというのはあるが、求心力を保てているのかという疑問を感じざるを得ない状況が続いている。

とは言え、今季の奮わなかった成績の全てが監督のせいとは思えない。たくさんの補強をしたが、ストライカーについてはユンカーの慢性的なケガがあるにも関わらず、夏のリンセンを待たなくては行けなかった。シーズンの多くを松尾のワントップで過ごすと思っていた人がいるだろうか。編成の失敗ではないだろうか。

さらに不運なことに、そのリンセンも加入直後に怪我で離脱してしまう。春先には犬飼の大怪我もあった。大畑と酒井が骨折で同時期に離脱することも。その他、平野や柴戸など、今年はケガが相次いだ印象だ。

さらには開幕直前、ACL準決勝後にコロナ禍に見舞われたこともあった。リーグに向けてさぁここから、というときに与えたダメージは大きかっただろう。

リーグ序盤には明本・敦樹・岩尾の不必要な退場があり、獲れたであろう勝ち点のいくつかを落とした。7連続ドローの時期、決めなければいけない決定機を何度も外した。これらの試合でもう少しずつでも勝ち点を詰めていたら、今頃何位くらいにいたのだろうか。

これら、監督を変えていたら状況は変わっていたのだろうか。あまりそうは思えない。それでも、浦和の目標がより高いところにあって、その担い手としてリカルド監督では不十分とクラブが判断し、監督交代を決断したのだろう。その判断は、それでいい。

問題は後任だ。今の選手たちを預けて、リカルド監督よりも確実に上にいける人物だと思えなければならない。やってみないとわからない、は通用しない。たぶんサポーターは今回はそこまで待てない。名前が出た時点で熱が高まるだろう。クラブは覚悟して、後任人事を進めてほしい。