今の浦和レッズは、国内移籍市場の食物連鎖の頂点に立つクラブの1つだ。 主力選手が国内の他クラブに引き抜かれていくということがほとんどなく、逆に毎年のように引き抜いている。 よってサポーターとして、引き抜かれていく側の心情がいまいちわからない部分がある。
そんな風に思っていた中でたまたま見かけた、ある水戸サポさんが平野の移籍について触れていたツイートが、今も強く印象に残っている。
「平野佑一の活躍に複雑な気持ちの水戸サポーターも多いのではないでしょうか?」みたいなコメントがあったけど、個人昇格で大活躍とか最高にWasshoi案件でニッコニコで応援しとるぞ( ・`д・´)b
— あと (@atmarker1) 2021年9月5日
ちゃーんと特徴を見て監督とフロントで「ほしい」ってなって、しっかりお金を払ってくれて、飼い殺しにするどころか即先発の大車輪の活躍、むしろ水戸にいた頃よりも輝いている…何の文句があろうか₍₍ ◝('ω'◝) ⁾⁾ ₍₍ (◟'ω')◟ ⁾⁾
— あと (@atmarker1) 2021年9月5日
J2→J1というカテゴリが上がった移籍というのもあるかも知れないが、元気や関根、橋岡が海外移籍した時の心境と同じようなものなのだなぁと、何だか少し安心した。
と同時に、選手を取る側の責任というのを考えさせられた。
選手を獲るからには、その選手に移籍元ではできなかったであろう経験の機会を提供し、より高いステージへのステップアップを支援する。それが獲られた選手を応援してきた人たちに対する、獲る側の責任なのではないだろうかと。
これがうまくできたと感じている例が、今やブンデスリーガで2年連続のデュエル王となり、日本代表の主力として活躍している遠藤航だ。 今まさに開催されているキリンチャレンジカップで、代表の主力として活躍している姿を観ると、とてもうれしい。
2016年から浦和に加入し、2018年途中でベルギー・シントトロイデンに旅立っていった遠藤。 彼のサッカー選手としての能力を作り上げてきたのは湘南だし、浦和が育てたとは全く思わない。 むしろボランチで使ってあげられず、成長を阻害したような気もして申し訳ないと思うくらいだ。 能力の面から言えば、浦和に移籍しようがしまいが日本代表に定着していただろうし、ドイツでデュエル王にもなっていただろう。
彼にしてみれば、浦和は「経由したクラブの1つ」くらいの感覚かもしれないし、実際にそうだ。 ただし浦和に移籍してきたからこそ、彼はJリーグの上位争いやACLの舞台に立つ機会を得たし、そこで十分活躍できるんだという姿を対外的に示すことができた。 遅かれ早かれ海外には旅立っていたと思うが、これらの舞台で得た経験や対外的な評価が、ステップアップの機会を早めることができたと信じている。本人はどのように思ってくれているかは知らないけれど。
移籍というシステムがあり、競争原理の下でクラブ間の色んな格差がある以上、選手を獲る側と獲られる側が存在するのは仕方ない。 浦和は獲る側である以上、非常に難しいことだとは思うが、獲られた側のサポーターに「獲られるならば浦和でよかった」と思ってもらえるクラブであってほしい。
#遠藤航🗣️「みなさん、お久しぶりです。僕が京都や湘南に行ったりしていたので、浦和には来ないのかという声もありましたが、来ました!ファン・サポーターのみなさんにはお会いできませんでしたが、また機会があれば来たいと思っています。これからも引き続き、僕の応援もしていただけれ嬉しいです」 https://t.co/I1x4X5cBdP
— 浦和レッズオフィシャル (@REDSOFFICIAL) 2022年6月24日